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Nao’s Choice Vol.5「Atelier M/A アトリエ エム/エイ」前編

Nao’s Choice Vol.5「Atelier M/A / アトリエ エム/エイ」前編

エシカルコンビニで取り扱っているブランドのことを、もっと沢山の方に知って欲しい!伝えたい!
そんな想いからスタートしたディレクター早坂奈緒の特別企画「Nao’s Choice」
第5回目は、アート・ファッション・サスティナブルを軸に活動するAtelier M/AをPick Up!

イタリアで修行を積んだ小出真人氏と小出梓氏が、2018年に夫婦でスタートした「Atelier M/A」
個性的でエッジの効いたデザインとは裏腹に、柔和な人柄のお二人。
前編では、原点となるイタリアでの生活から、ブランド立ち上げに至るまでを掘り下げます!

Atelier M/A / アトリエ エム/エイ

イタリアで腕を磨いたデザイナーの小出真人氏とパタンナーの小出梓氏が2018年に立ち上げたファッションブランド「Atelier M/A」”心揺さぶるエモーション”をコンセプトに、色彩豊かな異素材のミックスやプリント表現、 サスティナブルをユニークなスタイルで形にしています。

―ブランドを知る上で二人の経歴が深く関係していると思います。まずは、おふたりの経歴を教えてください!

デザイナー小出真人 (以下真人):元々同じ服飾の専門学校で学んでいたんです。
3年間日本でデザインやパターンなど広く勉強して、卒業後にイタリアに留学しました。
最初は長く住むことは決めてなかったのですが、そこから15年くらいイタリアにいましたね。

―おふたりともですか?

パタンナー小出梓(以下梓):最初は彼だけで、私は日本に残って普通に大阪のアパレルに就職して、彼だけ一人でいってました。

真人:最初の3年くらいは彼女はまだ来てなくて。 色々と向こうの学校でも勉強をして、メゾンでも研修を受けたりして2年半くらい過ぎた時に、まだイタリアで学んだという感触が掴めなくて。。 イタリアでちゃんと仕事を探そうという時期に、一緒に向こうに行こうかとなり、日本で結婚してから2人でイタリアに行きました。

―なぜイタリアを選んだんですか?

真人:学生のコンテストで、海外の留学を支援してくれる「神戸ファッションコンテスト」というのがあり、そのコンテストがミラノ・パリ・ロンドンの学校と提携していて。 受賞したら、どこかの学校に1年間留学できる制度がありました。 それでたまたまその賞を受賞し、イタリアに決まりました。笑

―原点となるブランドとの出会いがあったそうですね

真人:イタリアで就職していた時に出会った「hLam/ラム」というブランドでの経験が大きいです。
夫婦でやっているブランドなんですけど、展示会とかモノづくりとかやっていく中で、いろんなことがひとつに繋がっているなっていう人達だったんです。
イタリアのビエッラという自然豊かな田舎町を拠点とするブランドで、昔の古い家を買って、自分たちで改装して リノベーションして、庭が広くて、そこで野菜も無農薬で作ってたりとか、絵に描いたような暮らしをしてたんですね。
食やインテリアを独自の美意識で整え、クリエーションし、自然体で楽しむ生き方。
そんな衣食住とものづくりが乖離することなく一体化した夫妻のありように感銘を受け、装いという一部だけではなく、自然と共生するライフスタイルそのものを提案することを考えるようになりました。
そこでの経験や今のものづくりや思想の原点となっています。

―始めはバッグからスタートしたんですよね?

梓:エシカルコンビニでも取り扱っている二重構造の透明カバンがブランドの先駆けとなっています。

真人:震災があった翌年に「Made in Me Project」というカバンのプロジェクトを始めたのですが、それまで服を作っていくことに関わっている中で、モノが余ること、毎シーズン新しいものを作る中でボタンや布などが余ってしまい、最終処分をしていかないといけない、みたいなことを変えていけるような動きをしたいと思っていたんです。

―このバッグのコンセプトがとても良いなと思いました。参加型のバッグって発想が素敵ですよね

真人:カバン自体はひとつのデザインなんですけど、いろんな方向でアレンジして、柔軟に変えていけるような、もう少し飽きがこないような形で使っていけるようなデザインってあるんじゃないかって思って。
それでこのような、使う人のスタイルを反映できる、持っている人のカラーを入れていけるようなデザインになっています。

―そうなんですね。そこからどのようにして<Atelier M/A>が誕生したんでしょうか?

梓:ブランドの立ち上げのきっかけはひょんな事なんです。笑 日本に帰ってきてからファッションショーをしませんかっていうお話を頂いて。
それならブランド作らなきゃいけないから、始めようかっていうぐらい。
ずっとやりたいなとは心の中では想っていたんですけど、一歩踏み出せなかったっていうのもあって。

―梓さんがまだ妊娠していた時だったとか。

梓:私が子供を一人目産んで二人目妊娠したぐらいの時に丁度そのショーのお話を頂きました。息子の名前とブランドの名前を同じ時期に考えてたんです。笑
まだ新生児的な感じのときに、首も座ってない状況で、前に抱っこして、 バックステージでフィッティングするみたいな感じでした。

―食品だけでなく、アパレル業界でもロスについては大きな問題になっていますが、おふたりは洋服のロスについてどのように考えていますか?

真人:春夏の服、秋冬の服というのはあるんですけどけど、この半年間だけその商品を売るっていうやり方はうちではしないようにしています。 そしてセールもしない形で販売をしていて、「売り切る」という形でやりたいとは思っています。
あとは、できるだけ裁断等で出てくるような残布も、別の糸や小物にしたり。 残布とかも溜まっていって、保管するのも大変なのですが、矛盾との闘いが、エシカルやサステナブルでやっていくという事業の難しさなのかなと思います。
ただ、これっていう解決策ってないと思うので、皆でそういうことに向かっていければ良いですね。

記事では紹介しきれなかったAtelier M/Aの魅力秘話を、
対談形式のインタビューで公開中!

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