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Nao’s Choice Vol.3「BOTANICANON / ボタニカノン」前編

Nao’s Choice Vol.3「BOTANICANON / ボタニカノン」 前編

エシカルコンビニで取り扱っているブランドのことを、もっと沢山の方に知って欲しい!伝えたい!
そんな想いからスタートしたディレクター早坂奈緒の特別企画「Nao’s Choice」
第3回目は、ナチュラルコスメの本質を追及するボタニカノンをPick Up!

お肌にも環境にもやさしい「ナチュラルコスメの本質を追求する」商品づくりをモットーに、
天然由来成分100%でケミカルフリーの化粧品を手がけるボタニカノン。
前編では大自然に囲まれた鹿児島県南大隈町で作られる本物のナチュラルコスメの魅力と、
サステナブルな取り組みについて、代表である黒木靖之さんにたっぷりお話をお伺いしてきました!

BOTANICANON / ボタニカノン

温帯から亜熱帯に属する鹿児島県大隈半島は、南北に日本最大級の照葉樹林帯を控え、手つかずの自然が広がります。ボタニカルファクトリーのある南大隈町には、約4000種類の植物が群生しています。ボタニカルファクトリーは、それらの植物がお肌の為に新たに生まれ変わる場所。大自然が育む豊かな原料と自然由来100%成分の独自処方で、ボタニカルコスメの本質をお届け致します。

―<ボタニカノン>が誕生したきっかけを教えてください!

きっかけは娘のアトピーです。私が34歳くらいの時に生まれたのですが、そのあたりが一番の転機ですね。
化粧品の輸入の仕事を始めてからしばらくはケミカルコスメばかり扱っていたんですが、そんな時、丁度娘のアトピーがひどい時期があり、長年化粧品業界で培ってきた自分のこれまでの知識や経験が全く生かされない事にショックを受けまして。「肌によく、口に入れても安心な化粧品成分について学びたい」という一心の元、石鹸作りを始めたことが今のボタニカノンの原点になっています。

ボタニカノン代表黒木靖之さん@ボタニカノンファクトリー屋上にて撮影

―化粧品×農業のスタイルはどこから?

33歳くらいの時から化粧品の輸入の仕事を始め、原料の調達や販売の為に海外に行く機会が多くありました。
その当時訪れたヨーロッパのオーガニック工場を視察した際に見た光景で、ラベンダー畑の横にアロマの抽出器があって、抽出工場があって、製品をつくるところがある、「農業」と「化粧品」と「地域」がしっかりとコミュニティとして出来上がっていた現場に強く心を打たれて。
その影響もあり、故郷である鹿児島県でそんなことをやりたいなとおぼろげながら考えていました。
15年程前に石鹸工場を作る機会があり、石鹸を作る過程で、香り付けの為のアロマオイルを自分たちで採ろう、とかレモングラスの蒸留水が残っているからスプレーにしよう、とか、試していく中で、スキンケアに発展していきました。

―黒木さんがいつも”旬”と”鮮度”が特徴と仰っているのですが、そのこだわりって何ですか?

もともと私自身が化粧品ってやっぱり「食品から上がってきたもの」という認識なんですね。自然のものを体に取り入れるってことは、食べられるものじゃないとダメで。もう根本がそこなんですよ。食品のような化粧品。
だからうちで開発する商品というのは、まず、いいものを、美味しそうなものからいいものを作ってその後どれだけ保存が効くかってテストするんですね。
食べ物と同じだから、当然チェックする商品チェックも舌で確かめるし、なめてビリって痛いのは、基本つけない。

―ボタニカノンにはボトルにもこだわりが!

食品容器で「鮮度が落ちない、酸化しない醤油」などで有名になった気密性の高い多重構造のハクリボトルを、ボタニカノンの最大のポイント「フレッシュ原料」の特徴を最大限活かすためスキンケアライン仕様として採用。
酸素バリア性によって中身の酸化を防ぎ、鮮度を保ちます。

―ボタニカノンはバジルや月桃、たんかん等様々な原料を使った製品が沢山あります。
その中でも特に黒木さんのおすすめの商品は何ですか?

油と水の究極をいうとフェイスオイルと、それと化粧水でいうと「ホーリーバジル」が実は推しなんですね。ホーリーバジルってもともとインドからのハーブなんですけど、アーユルヴェーダの中では最高位のハーブって言われていて。本当にいろんなスピリチュアル的にも結構支持されてたりとか、あと何か名前もいいじゃないですか。笑

―私も使わせて頂いていて。いろいろある中で保湿が一番あるな、っていう感じがするんですよ。

これ、実は手間がめっちゃかかっていて。6月と7月と8月しかホーリーバジルって取れないんですね。フレッシュなものをその時収穫し、3日以内に蒸留。その後蒸留した水を冷凍庫に入れているんですよ。

―じゃあフレッシュさは毎年違う?

そうですね。若干。。できるだけブレないようにはしています。
食べ物も一緒で旬があるように、春先で採れたものと秋口で採れたものでは当然油の量も異なります。本来化粧品業界の場合は安全性と安定性、というのを両方担保しろと言われているんですけど、残念ながら安定性はない。ですが、それがナチュラルコスメの醍醐味でもあります。

―冷凍庫のお話がありましたが、先ほど工場内で見させて頂いた際に、タンカンがいっぱい入ってましたね。

そうです。約3トン。

―それも規格外のタンカンとか。。

この町からもタンカンが毎年出荷されるので。最低でも1割以上で、35トンは規格外もしくは廃棄なんですね。自然のものなんで自然に還るっちゃ還るんですけど、あまりにももったいないですよね。
なのでこの規格外のタンカンをボタニカノンとしては、フェイスオイルの香りづけや一部商品エキスとして使っています。農家の方もこれまで捨てられていたものが有効活用され、その農産物から作られた化粧品を喜んで使って下さっている半面、処理に追い付かないことも。。

―本当の意味でのサステナブルなモノづくりを続けていく上では、なかなかちょっと現実とやっぱり合わないことも・・

そうですね仕組みを変えないと、多分無理だと思うんですよね。
食品の規格の仕組みであったり、もちろん消費者さんのマインドを変えるというのもあるんでしょうけど、そこはやはり時間がかかるでしょうし、一番手っ取り早いのは、いわゆる引き取り側、小売店であったり、仲介業者さんがある程度その基準を広げてあげるとか。
いろいろな形で引き取るにしても、いろんな形で全部引き取る、とか。今の日本のマーケットの姿勢だと、農業廃棄物は減らないんですよ。

―何かこの土地で作る醍醐味もありつつ、現実的にも多少向き合いつつ、黒木さんは製品を作っていて何が一番楽しいですか?

マニアックな人からいっぱい依頼が来るので、今度はどんなことを言ってくるんだろうって思うのが楽しみですね。また、楽しいっていう意味では、農業性廃棄物とか作りすぎたとか、いっぱい溜まっているとか、そういうのをいわゆるアップサイクルして化粧品にできた時というのはすごい喜びますね。できたやん!みたいな笑

―黒木さんの考えてるというか、これからのこうなったらいいなっていう未来はどんな感じでしょう。

化粧品業界って大体2兆5000億ぐらいのマーケットの中で、ナチュラルコスメのマーケットがまだまだ全体の7、8パーセントって言われているので全然まだほとんどの方がナチュラルコスメ自体知らないというか、目にしたことないとかだと思うんですよね。だからまず、業界の認知度を高めたいっていうのはあります。
今までドラッグストアだけで済ませていたのを、ドラッグストアにないものを求めてそういったバラエティショップとか、いろんなところに足を運んだりとか、自分たちが食べるものを選ぶのと同じような感覚でしっかり吟味するっていうような文化にまずはしたいです。

記事では紹介しきれなかったボタニカノンの魅力秘話を、
ディレクター早坂とボタニカノン 黒木氏による対談形式のインタビューで公開中!

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