まだ食べられるのに、捨ててしまう。最近よく耳にするようになったこの『食品ロス』。年間で570万トン(※1)という、数字だけ見ても想像のつかない量であり、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量(2020年で年間約420万トン(※2)より多くの食品が廃棄されている現状です。家庭から出るごみの量もさることながら、企業から出るロスが現在問題視されています。
メーカーで製造した食べものには期限が定められており、安全に食べられる期限=消費期限、未開封で美味しく食べられる期限=賞味期限としてパッケージには日付が記載されています。日本の商習慣では、賞味期限より前の期間で「販売期限」というものが設けられています。販売期限を過ぎるとその食品はロスとなり、その多くが廃棄やメーカーに返品などの対応が取られます。エシカルコンビニでも、食品やペットフードを取り扱っており、「販売期限」を設けて販売しています。
2021年に店舗がオープンし、わたしたちも、販売期限切れの課題に直面。食品ロスにしないために、その先をどうするか考えました。
今できることのひとつとして、エシカルコンビニでは、販売期限が切れてしまった食品を提携飲食店へ渡し、リユースする取り組みをスタートしています。エシカルコンビニ伊藤忠店舗からほど近い、表参道の提携飲食店の料理長にお話を伺いました。
- 料理長 -
「ピーナッツペーストはピーナッツ豆腐に、ゆずシロップはデザートとして生まれ変わりました。ミックスナッツはサラダに使用。ひよこ豆はマッシュにしてフライオニオンを添えたりして…皆さん美味しいと好評でしたよ!
料理長おまかせの創作料理のお店なので、何が来てもアイディア次第で調理して提供します。お店にはヴィーガンのコースもあり、エシカルコンビニとは親和性が高いですね。いまコロナ禍で、中々お酒のつまみは出せないのですが、次はどんな食材がくるのでしょうね。エシカルコンビニのお客様にも、今後調理方法をアイディアとして提供できても楽しいですね」
また、ワンちゃんや猫ちゃんの食べ物にも「おいしく食べられる期限」はあります。エシカルコンビニでは、鹿のめぐみさんにご指導いただきながら、お買い上げいただいたお客様に、賞味期限切れの商品をもう1つご提供するキャンペーン(不定期開催)や、店舗にて賞味期限切れの商品をご説明のうえで試供品として小さな袋に入れてお渡しする取り組みも始めています。
エシカルコンビニでは、商品の入り口だけではなく、その出口に対しても、スタッフ一人ひとりが真剣に考えています。まだまだ発展途中ですが、これからもできる事から、率先して取り組んでまいります。
※1農林水産省及び環境省「令和元年度推計」
※2国連World Food Programme (WFP)公式サイト